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病院の原価管理—第6回 内科および耳鼻咽喉科外来の原価計算
黒田 幸男
1
1済生会中央病院
pp.502-503
発行日 1979年6月1日
Published Date 1979/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541206888
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採算性内科外来と耳鼻科外来の損益分岐点図は図33のとおりである.内科外来の収支は全期間を通してほぼトントンの状態を保ち,損益は+2%〜△5%の間で安定している.一方,耳鼻科外来の収支は,48年49.8%,50年51.9%と大幅な赤字であったが,52年には14.6%の黒字に転じている.これを患者1人1日当たり収益対原価で示したものが図34である.
原価内科外来の患者1人1日当たり原価構成(図35)は3部門別では外来総合(4月号参照)に比べ,中央診療部門の利用状況が金額で1,200〜1,700円,構成比率では33〜40%(外来総合1,500〜2,500円,60%前後)と低く,直接部門が1,700〜2,300円,48〜54%(外来総合600〜1,200円,26〜30%)と高い.また,耳鼻科外来(図36)では中央診療部門の利用度が内科よりも更に低く,直接部門の占める割合は62〜70%と一段と高く,それぞれの診療科の特質を示している.3部門原価を費用項目別にまとめた内円を見ると,内科の材料費率が44〜50%と最も高く,耳鼻科では給与費が56〜60%と高い.
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