特集 CCUの現状とその経済性
わが国のCCUの現状
桜橋渡辺病院のCCU
井原 勝彦
1
,
南野 隆三
1
1桜橋渡辺病院循環器科
pp.980-983
発行日 1978年12月1日
Published Date 1978/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541206719
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
当院CCU (coronary care unit)は,昭和46年4月に10床(うち1床はICU)をもって開設,次第に充実させ,昭和50年6月にはPCU (progressive care unit)3床を増設,救急指定を受けており,昭和52年には年間76例の急性期心筋梗塞症例を含め約300例の心臓救急患者を収容するまでになってきた.
心筋梗塞は急性期,とくに発症数時間に救命しうる重症不整脈による死亡率が極めて高い疾患である.理想的には,不安定狭心症または切迫梗塞の段階でCCUに収容することが望ましいが,心筋梗塞救命の最大のポイントは,患者をいかにしてCCUへ迅速に搬入するかということである.そこで病院の立地条件と搬入システムが問題となる.当院は大阪の表玄関である大阪駅に隣接しており(図1),国鉄,私鉄,地下鉄,主要幹線道路や高速道路の出入口に近く,市内および郊外からの患者輸送に極めて有利な立地条件にある.一方,当院は第2種救急指定(心臓病のみの救急指定)を受けているので,大阪府の救急情報センター(大阪市の救急センターと隣接市町村とがネットされていてコンピュータを駆使して救急活動を行っている)とは専用電話回線をもって結ばれており迅速な搬入システムが確立されている(図2).
Copyright © 1978, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.