技術解説
無菌検査と滅菌効果の確認
古橋 正吉
1
1東京医歯大中央手術部
pp.480-488
発行日 1973年5月15日
Published Date 1973/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542908072
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はじめに
病院の細菌検査室には毎日各種の検査試料がもちこまれてくる.患者の血液,尿,体液,消化液の細菌検査はいうまでもないが化学療法剤の感受性テスト,耐性菌検査などで多忙をきわめていると思われる,これに加えて,手術室や中央材料滅菌室,薬剤室などからも各種ディスポーザブル器材や病院で滅菌した器材や薬品の無菌試験の要求もかなりあるだろうから,滅菌効果の確認は細菌検査室の業務のうちでもかなりウエイトがおかれている問題である.
滅菌効果確認に用いられる‘無菌試験法’は薬事法第41条に基づく日本薬局方(第8改正)1)に載っており,細菌および真菌試験とに分けて,培地と調製法,操作法,培養法および判定法につき具体的説明がある.しかし,この規定は,主に薬剤や生物学的製品を対象とした取り決めなのである.ところが,滅菌済ディスポーザブル製品の製造基準に関する厚生省告示を見ると,これら器材の‘無菌試験法’も薬局方に基づくか,あるいはこれに準じた方法で行なうようにと定められている.いうまでもなく,ディスポ医療器材の大部分はプラスチック製品で材質,形状がさまざまである.これらの器材に‘無菌試験法’を応用する場合には,実施上のいろいろな問題点が指摘されている2).
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