院外活動日誌
在宅障害児と父親
伊藤 利之
1
1横浜市立港湾病院・リハ科
pp.408
発行日 1978年5月1日
Published Date 1978/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541206542
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○月○日
今日は,ジストロフィー症児の地域訓練会に参加してきた.患児は10人ほどであったが,今回は比較的年齢が高く,四肢の関節拘縮や筋力低下が著明な子が多かった.このくらいの年齢(15-17歳)になると,もう母親の言うことなど聞かないので,訓練や日常生活動作を指導する場合,本人にも十分納得してもらわなければならない.しかし,痛くて辛い訓練は,頭でいくら理解したとしても,簡単に実行できるものではない.われわれでさえ,毎日欠かさずトレーニングをすることがいかに困難なことか,誰もが知っていよう.ましてや,自分で自分の身体を思うように動かすことのできない障害児は,いくら納得したからといっても困難な条件が多く,長続きはしないものである.
このような場合,父親が積極的に協力してくれるか否かは大変重要で,これまでの経験では,父親が積極的な家庭の障害児は,ジストロフィーに限らず訓練をきちんと行っているケースが多い.また,生活にも幅があり,行動範囲も広いようである.
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