中国の旅(最終回)
工人医生
伊藤 誠
1
1千葉大建築学
pp.68-71
発行日 1977年6月1日
Published Date 1977/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541206257
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中国の旅も日数を重ねるにつれて,彼らの接客様式にひとつの定型があることがわかってくる.まず応接室に通される.当方の団長と接客側の主人格とが中央に並んですわる.交互に出席者ひとりひとりの紹介,その前後に熱い茶がついでまわられる.それから歓迎の挨拶,続いて見学すべき施設の説明,といった具合である.説明も,まずは解放前の惨状が語られ,続いて解放後の成果と現況が述べられ,"右からの捲返しに反撃を加えよう"とする現在の決意に及び,最後に"意見があったらお聞かせ下さい"で結ばれる.
この辺のコツが呑み込めてくると,最初は少しばかりピントはずれだったわれわれの質問もおいおい正鵠を射たものになってくる.
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