特集 病院と輸血管理
わが病院の輸血管理
地域に根づく血液相談室の活動—高知市立市民病院
有沢 芳郎
1
1高知市立市民病院血液相談室
pp.37-38
発行日 1976年8月1日
Published Date 1976/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541205977
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保存血液と共に23年
高知県にいち速く呼吸器の胸部外科を取り入れたのが国立高知療養所(初代所長坂本昭現高知市長)であり,第1回の手術は昭和24年であった.しかしこの頃は冷蔵庫がいまだ製産されず,血液の保存ができなかったのでもっぱら枕頭輸血で切りぬけた.26年度は手術件数が103例に達し,保存血液が不可欠となってきた.28年に入ると外国製の冷蔵庫が入手できたので療養所の医師を東京に派遣して保存血液の製法を習得し,院内血液銀行を開設するや手術件数が急増し,西日本で上位にランクされるようになった.
筆者は院内血銀の運営に専念したのが血液と関わりをもつ始まりであった.29年売血が全盛時代に入ると県下全域にわたり銀行血を取扱い,売血が廃止され献血時代を迎えると献血の委託取扱いに転じた.44年献血が直配制になったのを機に高知市立市民病院(院長飯塚治)と委託契約を結び,院内血液の管理に専念して今日に至る.
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