レセプトを読む・6
いかに解読するか・実地編(2)
黒田 幸男
1
1済生会中央病院事務
pp.87-90
発行日 1976年6月1日
Published Date 1976/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541205938
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
2.診療行為別構成比
2)3病院の構成比と推移(承前) 入院診療①全科(表9)1入院総体の推移では,表9のとおり,A,B病院の患者1人1日あたり診療額は,A病院94.7%,B病院95.3%となり,診療実額と合わせて,ほぼ同程度の上昇率を示している.C病院の上昇率については資料がなく不明だが,診療実額ではA,B病院に比し約30%もの高額を示している.C病院の診療行為大別の特色は,A,B病院と比較してみた場合,「投薬」の診療実額が500-1,300円高いこと,「処置・手術・麻酔」が2,000−2,800円とA病院の2.5倍,B病院の1.7倍もの収益構造をもつことである.この収益構造はそれぞれの病院の医療構造を表しているものとすれば,後述する内科・外科の同項目における診療実額の相異点より大よその判断がつく.他の2病院に比し,C病院の内科における「処置料」の高さは透析収益が入っているものであり,内科の注射,外科の注射,処置などの診療額をみれば,それを確認することができる.
構成比では,B病院のレントゲン診断がA,C病院に比し高く,前述の「処置・手術」では,C病院が一番高い.A,B病院における構成比の推移(表10)から,収益構造の主な変化をみると,点数が据置かれた「レントゲン診断」がともに(−)ではあるが,差があること,またそれとは逆に,「検査」ではともに(+)ではあるが若干の差があることである.
Copyright © 1976, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.