グラフ
地域保健活動からリハビリまで一手に担う—本荘市・由利組合総合病院
pp.9-14
発行日 1976年2月1日
Published Date 1976/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541205813
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秋田県本荘市は日本海の荒海に面し,秋田市と酒田市のほぼ中間にある.市の人口は4万,その周辺に拡がる由利郡を合わせて14万,この地域は米の単作地帯である.また山と川と海にも恵まれ,漁業と木材産業が栄えたこともあったが,由利モンロー主義という言葉が残っているように,歴史的にも地形的にも周辺都市とは孤立し,保守的な土地柄といわれる.雪に埋もれた羽後本荘駅に降り立つとき,この何の変哲もない東北の小さな町に821床の近代的装備を誇る病院があるというのはちょっと信じ難いことであった.
この由利組合総合病院は都会の大病院と比べて,なんら遜色のない高度の医療を担う一方,由利郡のすみずみまで検診車を走らせ,無医地区には出張診療所をもつといった完璧な地域医療体制を整えている.ひとまず,現在に至るまでの病院の歴史をたどってみよう.
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