研究と報告【投稿】
病院における医療機器の管理方法
間部 弘
1
,
若井 一朗
2
,
安間 秋靖
3
,
太田 裕祥
4
1社会保険中京病院・SMIセンター
2SMI部
3医務局
4病院
pp.84-87
発行日 1975年11月1日
Published Date 1975/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541205765
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
ここ数年の変化から見て,世界の動向である医療産業界を背景とした医療の技術革新のもたらした結果として,国産・輸入を問わず,病院の医療機器数量の増加は驚異的である.また一方,病院各所における医療機器の取り扱いは,手術室や透折室などにおいて,医師・看護婦のほかに,職業的資格をもたない技術員により行われている例が多いという報告がある1).整備のゆきとどかないことの多いこれらの医療機器は,病棟・手術室・外来などで使用されるとき,特に緊急的な使用の場合に,部品不足や故障の発見などにより,使用中止を余儀なくされる場合がしばしば見うけられる.特に,保守点検・調整修理を業者に依存している病棟機器では,このような困難が増大している.
これらの困難は,医療機器の設置される場所の人的構成に原因のある場合のほかに,管理(病院運営方針の上で)の方法,特に保守要員の位置づけにその因が見いだされる場合が多い,医療機器の適正な利用のためには,管理場所と管理方法が適切であり,さらに保守要員の業務内容が彼にとって明確であり,熱心に,かつ確実にそれを実行できる体制がない限り,緊急使用に間に合わないような事態を防ぐことはできないであろう.
Copyright © 1975, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.