柏原病院からのレポート・2
柏原病院の外来
冨田 重良
1
1兵庫県立柏原病院
pp.66-67
発行日 1975年8月1日
Published Date 1975/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541205690
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I君への手紙:第2信
I君.今日は柏原病院の診療の象徴として,院長外来の模様をご報告致しましょう.結核療養所として,辺ぴな山すそに建てられた柏原荘が,柏原日赤病院という古い伝統のある総合病院を町の中心に控えているにもかかわらず,どうして,一般病院として,その存在意義を見いだし,地域にとってなくてはならぬ病院になりえたのか.その秘密はここにあると思うからです.
私がその広い診察室へ足を踏み入れたとき,まずびっくりしたのは,大勢の看護婦さん,補助婦さんがその中で忙しく立ち働いていたことです.新患の問診はK総婦長がとっていました.ベテランの医師にも優る充実したりっぱな記載です.ついで,検尿,検血,血圧測定などの必須検査のほかに,症状に応じて,あらかじめ決められた種々の検査--たとえば喀痰,心電図,種々のX線撮影,血液生化学的諸検査--が指示されるのです.結局,検査依頼やデータの整理などに大勢の人手が取られるのですね,原則として,新患はこれらの成績が一応出そろってから診察を受けるため,午前中は再来患者の診察が主になります.
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