シリーズ・2
検査室からの廃棄物を追跡すると…………
白戸 四郎
1
1神奈川県立衛生短期大学
pp.59-61
発行日 1974年7月1日
Published Date 1974/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541205394
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建築設備上の問題点
1.流し
化学検査室の流しといえば鉛流しが一般的であったが,最近はむしろその欠点が指摘されてきている.とくに最近の臨床化学検査室では,酢酸の使用が非常に多い.中規模の検査室でも年間数十キログラムくらいは使うだろう.鉛は硫酸,亜硫酸,硝酸,リン酸などには強いが,酢酸や水銀に対しては非常に弱く,これらに対してはむしろ陶器流しやステンレス流しを使ったほうがよい.SK6, SK7, SK18といった陶器流し(通称キッチン流し)をそのまま使ってもよいし,これらを組み込んだ流しユニットにすれば,見た目にもよく,使いやすいし,化学薬品に対しては最も強いといってよい(図1).
ステンレス流しも普及しているが,一般に使われている18-8といわれているものは,Cr 18%, Ni 8%を含む鋼で,SUS 27という規格のものである.現在SUS 24からSUS 80まで,30数種のものが出ているが,この使い分けは非常にむずかしい.溶液中の腐食(湿式腐食:電気化学反応)と,ガスとの反応による腐食(乾食:化学反応)とでは性格が違うし,SUS No.の多いものがすべての点で優れているというわけではない.
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