シリーズ・1
検査室からの廃棄物を追跡すると……
白戸 四郎
1
1神奈川県立衛生短期大学
pp.63-66
発行日 1974年5月1日
Published Date 1974/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541205348
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公害への認識が高まるにつれ,病院はこれでよいのか,検査室はどうなのか,といった声が新聞紙上などにも時々みられるようになっているが,この廃棄物対策は病院管理の中の盲点のように今まで残されていたといってよいであろう.病気の診断には尿が医学情報の重要な手がかりとされているのに,病院管理では廃棄物にさして関心が払われていなかったということは,考えてみると不思議なことであった.廃棄物というと捨てられるものであって,終わりというイメージが強いが,この捨てられるものはすべて病院にはいってきたものであって,言葉を変えれば病院の代謝産物である.私は衛生工学の専門家ではなく,検査室の医師を長く勤めた経験から,病院の中の検査室に焦点をあててこの問題をとり上げてみるが,現場からみた問題点ということになるので,廃棄物処理の専門の方がた,あるいは他の分野の方がたのご意見がうかがえればたいへんありがたいことと思う.
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