特集 財務計画
資金計画の導入に関する若干の考察—明日の支払いをどうするか
針谷 達志
1
1病院管理研究所経営管理部
pp.40-44
発行日 1974年6月1日
Published Date 1974/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541205370
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まえがき
最近の病院の資金のひっ迫は著しい.収益の伸びなやみに加えて,給与費や材料費の高騰は,たんに日常の支払いを圧迫しているのみならず,その圧迫は設備投資や職員の充足など病院の長期的かつ基本的な機能の低下にまで及ぶといわれている.とくに,昨年後半以来,長期的といわず,まさに当面いかなる機能に関する支出を切りつめ,もしくは切り捨てて,窮境をしのぐかを検討せざるをえない病院が多くなっているとみられる.
多少皮肉ないい方をすれば,いかなる病院でも,また企業でも,現実に支払不能や銀行取引停止といった状態に陥るまでは,日々あるいは月々の収支は均衡していたことになる.たとえ支払資金に不足しても,材料代金や給与の支払いを遅らせたり,逆に上部機関や第三者金融機関から融資を受けることができれば,結果として収支は均衡する。したがって,問題はその均衡のとり方であったといってよい.
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