特集 医療計画
地域医療計画の実際
僻地を含んだ広域での医療計画
木全 心一
1
,
郡司 篤晃
2
1東大医学部第三内科
2東京女子医大心研・理論外科
pp.48-51
発行日 1974年1月1日
Published Date 1974/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541205246
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日本の僻地医療の現状と対策◇
1.僻地の医師の希望
今日,僻地が社会的に注目を浴び,広く議論されている.ここでの議論は常に深刻である.医師を得るのが困難で,どのように一生懸命探したか.高給を出しても来てくれないので東南アジアの国々から医師を得た話が出てくる.解決法は,医学校を多く作り,その1つを自県になんとか誘致しようとする.それではさしあたり間に合わないので短期間教育の‘準医師’の制度を導入しようとする議論さえ生まれる.さらに僻地へ進んでゆくように医師のモラル,ヒューマニズムを昂揚する必要性が強調される.
今日,私たちは,なぜ僻地に医師が行かないか,それを解決するためにはなにをしなくてはならないかとの視点から議論を進めたいと思う.今日の僻地での医師の苦悩を要約すると次のようになる.
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