第23回日本病院学会演題選
医療機器の中央化について
松尾 月子
1
,
宮田 メリ子
1
,
吉川 喜代子
1
1日本大学板橋病院看護部
pp.31-33
発行日 1973年12月20日
Published Date 1973/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541205209
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はじめに
医学は技術革新に伴い日進月歩し高度化している.その反面には病院の設備の近代化と精密な医療機器導入による専門技術を発揮した医療内容の拡大の影響がある.それだけに医師部門,看護部門,検査部門,事務部門(特に施設課,営繕課,資材課)の医療用機器の管理の認識が急速に複雑になってきている.医療機器は人に対し使用するものだけに安全でなければならない.この基本に対し医療機器の保全管理が安全対策としていかに重要であるか痛感する.
外国では病棟における物品管理が婦長の手を離れユニット・マネージャーに委ねられ,婦長は看護専一のリーダーの方向に進んでいる病院もある.また病棟への薬剤師の導入,ホスピタル・エンジニアの育成など,日本も外国の真似をすることもないが,従来と異なり,診療機能が細分化・専門化してゆく医療,複雑多岐にわたる業務内容の中で,患者中心に高度な設備,医療用機器が目的に対し効果的に機能を発揮する安全・保全対策ができているであろうか.多様化する医療チームのしくみの中で保全部門(専門家)の役割はどうあるべきかが責任と業務を明確にして相互関係を密にし,協力体制で医療が行なわれるだけに機器の管理責任について検討を要する時期にきていると思う.
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