えでぃとりある
臨床検査の中央化
小酒井 望
1
1順大臨床病理学
pp.505-507
発行日 1964年7月10日
Published Date 1964/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402200355
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病院ではどこでも臨床検査室が拡充整備されつつある。血沈や尿の定性検査から,血液の各種生化学的定量検査まで,ほとんどすべての臨床検査は検査室で行なわれるようになつた。かつては医師が自分で行なつた臨床検査が,こんにちでは検査室で専門の技術員によつて行なわれるにいたつたのである。たしかに臨床検査の種類もいちじるしく増え,熟練を要する検査も多くなつたので,医師は臨床検査を技術員にゆだねざるをえなくなつた。この結果病院には臨床検査を専門に行なう技術員という新しい職種が生まれ,臨床検査室という臨床各科に対するサービス部門が誕生したわけである。
また最近は地区医師会ごとに臨床検査センターが建設されつつある。これらのセンターは集配員をおき,傘下の診療所から検体を集めている。したがつて整備された臨床検査センターを利用できる診療所の医師は,大きな病院に勤務する医師と同程度に,臨床検査を診療に利用できることになる。
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