特集 設備保全
病院の近代化と新しい保全管理
倉持 一雄
1
1自治医科大学施設課
pp.22-27
発行日 1973年6月1日
Published Date 1973/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541205010
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おくれた医療制度と進む医療施設の近代化
日本の医療施設は,数的にも,質的にも,世界の第一級の国々にけっして劣るものではない.しかるに,なぜ患者からの医療に対する不満が絶えないのか.その原因にはいくつかの問題があることは,有識者の間ですでに論議されているが,そのひとつに現行の医療制度があることは否めない事実で,現行の診療報酬では,短時間に多くの患者を診療し,そのうえ与薬量の数を出さなければ,病院経営は成り立たないというところに問題がある.
この薬品偏重は,医療技術を無視した現象で,適正な診療報酬体系を要望する声が噴出するのは,当然の帰結である.しかも,医療を患者に提供する側の責務として,診療機能のレベル維持のため,医療の急速な進歩に常に対応して,質的に整備しなければならない経済的負担もある.
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