研究と報告【投稿】
EOG滅菌器の使用経験と今後の消毒業務のあり方
安達 宮子
1
,
雁部 春枝
1
,
加藤 貞夫
2
,
鎌田 忠夫
3
1京浜病院看護課
2京浜病院臨床検査課
3京浜病院外科
pp.108-110
発行日 1973年2月1日
Published Date 1973/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541204924
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はじめに
近代社会は第2次大戦後四半世紀を経た今日,抗生物質の相次ぐ発見,麻酔の進歩により外科手術は長足の発展を遂げた.しかしながら臨床の第一線にある市中の中小病院においては,麻酔や手術に関連した基本材料の消毒業務の改善はこれらに比較すればかなり遅れをみており,即座に使用できるディスポーザブルの注射器セットや滅菌パックの針付き縫合糸などの採用を除けば,ほかにとくに見るべきものはなく,大勢は依然としてシンメルブッシュによる煮沸消毒法,乾熱滅菌法,あるいはオートクレーブによる高圧蒸気滅菌法がほとんどその主体をなしている現状である.
戦後わが国は高度経済成長政策の結果,GNP世界第2位の経済大国といわれるまでに至ったが,医療経済は依然として貧困の域を脱却せず,健保財政の赤字と逐年上昇する人件費,それに加えて看護婦その他医療従業員の慢性的な不足問題を抱えた市中病院は,いかにして合理化と設備投資のバランス点を見いだすかに苦心している.
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