霞ガ関だより
血清銀行の設置
T
pp.122-123
発行日 1972年8月1日
Published Date 1972/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541204750
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昭和45年6月,厚生大臣の諮問機関である伝染病予防調査会の中間答申が発表され,今後の伝染病対策のあり方に関連して,従来の患者発生時における患者隔離などのいわゆる感染源対策にとどまらず,伝染病に関する情報収集をはじめとする平常時における対策の必要性が強調されている.この中間答申の中では,伝染病に関する情報として,届出情報,平常時情報,検査室情報,血清疫学情報の4つをあげ,とくに血清疫学情報については,‘……各種疾病に対する国民の抗体保有状況を,年齢階級別,地域別などに常時把握しうるよう,血清疫学情報が収集されることが必要である.このため,血清を計画的に収集保存し必要に応じて血清検査を実施する組織--すなわち,いわゆる血清銀行を設置することが必要である’と述べている.
また一方,厚生省が各都道府県に委託して行なっている伝染病流行予測事業によって,ポリオ,インフルエンザ,日本脳炎,風疹,ジフテリアの5疾病について各種の情報を収集している.
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