特集 生まれかわる病院組織
病棟組織の新しい機能<CCU>
町井 潔
1
1三井記念病院・循環器センター内科
pp.26-30
発行日 1972年8月1日
Published Date 1972/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541204730
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●はじめに
CCUの目的は,急性心筋硬塞患者を収容し,心電図連続監視を中心とした専門的でかつintensiveなcareにより,この病気の死因の50%を占める不整脈による急死を防止することにある.CCUの中心となるのは,急性心筋硬塞症の看護,とくに心電図の上での不整脈の発見と治療方針について熟知した看護婦であり,医師と密接なチームワークを組んで患者の救命にあたる.緊急事態が発生し,医師が間に合わない場合には,看護婦は心臓マッサージ,電気的除細動などの救命措置も行なう必要がある.
CCUは約10年前,年間50万人以上,死因の1/3を占めるほど心筋硬塞患者の多い米国で始まり,たちまち燎原の火のごとく全米に広まり,現在では100床以上の病院ではなんらかの形のCCUをもっているといわれる.実際その効果も上がっており,多くのCCUでは硬塞の不整脈による死亡がほとんどなくなったと報告されており,全体の死亡率がCCU開設以前の30%から20%程度に減少したといわれる.
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