研究と報告【投稿】
外来食堂・売店の損益計算—付帯事業の独立会計
大野 武雄
1
1日本大学板橋病院会計課
pp.109-111
発行日 1972年7月1日
Published Date 1972/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541204722
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付帯事業経営成績の把握
一般的に付帯事業にかかわる計算は,当該企業の主たる事業とは区分独立計算されること,企業会計原則がこのことを前提としていることから明らかなことであり1)病院会計準則もまた第3条において明示している.だから病院経理が付帯事業の経理を医業の計算から除外し独立計算を行なうなら,その結果算出された損益尻は損益計算書で医業外収益または医業外費用の区分に表示されよう2).
しかし病院会計準則は‘患者外給食’に対して‘患者外給食収入’を医業外収益に,‘患者外給食材料費’を医業外費用に表示することとしている.かなり大きな規模の病院で仮にこのとおり経理することとなれば,人件費・減価償却費を主とする諸費用が医業費用に混入し患者外給食という付帯事業の経営成績が明らかにならないばかりか,医業費用・付帯事業のいずれも損益の対応表示に矛盾が生じよう3).つまり原則的に付帯事業については独立会計が採用されるべきであること,特に公益性の強い医療事業にとって要請されるということである.
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