病院建築・37
国立心身障害者コロニーの建築
本間 隆
1
1建設省関東地方建設局営繕部
pp.81-86
発行日 1972年2月1日
Published Date 1972/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541204582
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まえがき
心身障害者の福祉施設としては,精神薄弱児施設,精神薄弱者援護施設,重症心身障害児施設などがあって,障害者に対する保護・指導,または社会的自立のための訓練が行なわれている.しかし,これら既応の施設の恩恵に浴すことのできない,更に多くの不幸な人びとがいることは周知のとおりで,各種施設の拡充整備が急がれている.
一方,今までの施設体系とは別に,独立自活の困難な心身障害者のために,保護・指導・訓練・治療,その他の援護機能を1地区に有機的に集合させ,障害者が安心して生活をおくれる総合的福祉施設を建設すべきであるという社会的要請が起こってきた.これにこたえて計画されたのが,国立心身障害者コロニーである.国立心身障害者コロニーは,上述のような要請に従って,各種機能を備えた生活共同体,あるいは地域社会を目ざし,障害者は,ここで援護のもとに,全人格的な市民としての生活を保障される.
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