病院建築・28
愛知県心身障害者コロニー中央病院の使命と機能
村地 俊一
1
,
小川 修平
2
,
浦 良一
3
1愛知県心身障害者コロニー中央病院
2愛知県心身障害者コロニー中央病院臨床第1部
3明治大学・建築学
pp.79-85
発行日 1971年4月1日
Published Date 1971/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541204297
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病院の側から
はじめに
人間が人間としてこの世に生をうけたとき,その個人の生命,個人の発育は一様に尊重され,完全に保障されなければならない.しかし人間の身体的・精神的機能レベルはきわめて多種多様であり,そのなかには大多数の平均的人間に比して,生物学的,医学的,ひいては社会的に明白なハンディキャップを背負っている人たちが存在する.
こうしたハンディキャップのなかでも,特に障害の重篤な重症心身障害児といわれる子どもたちや精神薄弱児(者)や,その他心身に各種の障害をもって生まれてきた人びとが,人間としての生活を,それぞれの生長に応じて発達的に営むことができるように,系統的・機能的に一貫した福祉対策を実施しようとの目的をもって,わが愛知県心身障害者コロニーは,5か年の歳月と,約48億の巨費を投じて建設されつつある.現在なおこの事業は進行中であり,研究所をはじめ,2,3の施設がまだ完成されていない状況である.
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