研究と報告【投稿】
準則所定勘定科目の集約—経理処理前進への提言
大野 武雄
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1日大板橋病院会計課
pp.109-112
発行日 1972年1月1日
Published Date 1972/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541204561
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勘定科目集約の必要性
病院会計準則が定めている勘定科目数はたいへん多い.そしてそれは経営主体にとって,経営管理上必要欠くべからざる要素であることは事実である.特に原価計算の場合の原価要素となる科目は,過去いくたびか実施された原価計算法に対する反省と,今後あるべき医療原価の構成要素として決定をみたものであろうと思われる.
だが帳簿式会計制度をとっていると——この例は多い——総勘定元帳に多量の口座が設定される結果,記帳に相当な労力が費される.そして総勘定元帳から誘導して作成される試算表も貸借不一致が生じやすい欠点も実務上否定することができない.試算表には本来2つの機能があるが,貸借のバランスがとりにくいということは,検証機能の低下であるし,また完成されても科目数が多いために一覧して財政状況・経営成績を判断するわけにはいかなくなる.貸借対照表および損益計算書としての機能も薄弱になるといえよう.つまり帳簿式会計制度をとっているかぎり,これらの制約は免れがたいのである.制約から脱却するためには,勘定科目を集約することが必要となろう.
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