特集 基準看護を点検する
‘基準看護’について思う—基準看護でどれだけの看護ができるか
住井 ヤエコ
1
1国立京都病院
pp.23-25
発行日 1971年1月1日
Published Date 1971/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541204204
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一新聞記者との対話
‘基準看護’うんぬんと聞くたびに思い出すことがある.昨年の春だったと思うが,ある新聞社から取材に来られ,相手を待っている間,所在ないままに‘この病院は完全看護ですな’と話しかけられた.‘いいえ,基準看護ですよ’と言うと,中年の記者は‘はあ?’と聞きとれなかったという表情で私をみつめるので,再び‘基準看護’と答えると,すかさず‘基準とはなんのことですか’と問い返され,今度は私のほうが‘はあー’という始末だった.
日ごろよく口にすることであるのに,基準看護について,とっさに私が説明できたことは‘ナースの数が,入院患者の数4またはその端数を増すごとに,1人以上……’という1項のみであった.
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