病院長時代の思い出・2
混乱の収拾から新たな発展の道へ
萩原 義雄
1
1国立京都病院
pp.93-97
発行日 1970年8月1日
Published Date 1970/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541204055
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病院の職員組合と患者新生会
病院創立の初期,昭和21年12月14日,内科の一ノ瀬君の熱心な勧誘により全員を集めて大会を開き,職員組合を結成し,出井さんが組査長に選挙された.その時の出井組合長の就任のあいさつがふるっていたらしい.‘不肖出井勝重は身命をとして……’とやったもんだから,みんな笑い出してしまったという話だ.こういう組合長さんでは病院長たるわたしは非常に楽である.約1年くらいで組合長は内科の柏村君に代わった.これまた非常に穏やかな人だったが,労働協約を締結したりして,初期にはなかなか活発だった.
元来わたしは健全な労働組合ならあったほうがよいと思っているので,組合幹部の人たちとはそういう方向で時どき話しあった.しかし近畿地連に対する不満でもあったのか,1人去り,2人去り,しまいには会費を払わぬ会員ばかりになり,ついに消滅してしまったらしい.
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