研究と報告【投稿】
院内表示標識についての人間工学的研究
中村 驍
1
1慶応義塾大学病院管理学教室
pp.103-106
発行日 1970年7月1日
Published Date 1970/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541204029
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はじめに
病院は,一種の労働集約的な産業体であり,したがって,院内における職員の流れも複雑多岐である.これに患者が加わって,駅のプラットホームさながらの混雑が起こることがあるが,特にそれは午前中の外来診察時間によくみられる風景である.一般の企業においては,これらの人の流れ,あるいは物の流れをいかに能率的に扱うかは,その会社の生産性,あるいは利益にすぐひびく問題であり,いわゆるIE (Industrial Engineering)的手法を用いて作業分析あるいは工程分析を行なって,真剣にこの問題に取り組んでいる.
一方,病院についてみてみると,その工夫について,おそまつな感がいなめないのである.われわれが病院の前に立った場合,すぐ目につくのはその病院の表看板であり,中にはいってまずその視線が求めるのは諸種の院内標識であろう.院内の人の流れについて最も重要な役割を果たすのが,この院内表示標識である.
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