霞ガ関だより
岐路に立つ清掃行政(1)—病院清掃との関連において
田中 明
1
,
片山 徹
1
1厚生省環境衛生局公害部環境整備課
pp.110-111
発行日 1970年1月1日
Published Date 1970/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541203864
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はじめに
清掃事業は,もともとは,汚物を衛生的に処理することを目的としたものであるが(清掃法),最近,汚物量の増大と質の多様化のため汚物の概念が不明確となり,そのねらいも,生活環境を清潔に保持し,市民生活を円滑な営みにするための,したがって都市機能を正常に保たせるための基幹的事業という方向に転換しつつある.
すなわち,わが国における経済社会の急速な高度化・高密度化に伴い,ごみという観点からのみとらえても,家庭ごみの増加とその多様化のほか,生産活動に起因する各種の産業廃棄物・汚泥・建設廃材など,家庭ごみをはるかに上回る各種廃棄物が増大し,いわゆる‘ごみ’という概念では把握しがたく,従来の焼却を中心としたごみ処理体制では対処しがたいものとなっているからである.
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