特集 輸血の管理
病院内における血液の管理
鳥居 有人
1,2
1国立東京第一病院外科
2血液銀行
pp.37-40
発行日 1969年10月1日
Published Date 1969/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541203769
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
緒言
病院内において輸血を実施する場合,事故を起こさないようにすることが第1条件であり,第2には,緊急な場合,必要量を短時間に供給できる機構を確立することが肝要である.
昭和27,8年ごろまでは,輸血はすべて新鮮血輸血,もしくは間接輸血とよばれる方法で行なわれていた.すなわち,患者の親類,知人もしくは輸血協会とよばれる組織からの派遣者から,注射器で採血して,そのまま患者の静脈内へ注射する方法であった.ABO血液型を決定するだけで(誤りやすい三滴法という検査を行なって適合性を調べる場合もあるが),ただちに輸血するため,梅毒の感染とか,型不適合とかによる事故を起こしたり,多量の輸血を迅速に行なうということもなかなか困難で,前述した2つの条件を満足させるものではなかった.
Copyright © 1969, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.