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編集主幹ノート
吉田 幸雄
pp.100
発行日 1969年9月1日
Published Date 1969/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541203743
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- 文献概要
本号は"医療紛争の予防"を特集した.医療紛争は年々増加しているようである.民主化が進むほど,病院や医師の封建的な権威は失われつつある,座談会で高田弁護士が述べられているように,医療紛争裁判の法律構造も変わって,従来は原告が不法行為で訴えを起こしたものが,診療契約違反・債務不履行で訴えるようになっているそうである.原告側の戦法が上手になったといえるだろう.
高田弁護士によると,不法行為では,原告の患者側が,その医療過誤を立証しなければならない.つまり素人が専門家のやり方を突くのだからどうも負けやすい.しかるに契約違反では,病院また医師側が,自己の責任に帰すべき事由がないという反証をあげねばならなくなるから,被告側が負けやすくなるということである.
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