特集 病院経営と薬剤
病院経営と薬剤管理のありかた
田口 英雄
1
1病院管理研究所・関東信越地方医務局
pp.49-52
発行日 1969年8月1日
Published Date 1969/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541203708
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太古の人類が,自然物質,ことに草根木皮が使いかたによって,医療に役だつことを知って以来,医療と薬剤の関係は不可分のものとなり,長い間,薬物療法は医療の主流をなしていた.701年の大宝律令では,中務省に内薬司があり,正1人,侍医4人,薬生10人が決められていたが,御薬の調合は内薬司正の任務とされており,また典薬寮で薬物をつかさどったのは,典薬頭であった,以来,薬学は医師の修学の中心となった1).
このように,古来薬剤の管理は医療上重要なこととされてきたが,この点は今日も変わらない.ことに,医学・薬学の進歩に伴い,毎年新たに開発される薬剤の数はおびただしく,薬剤による事故防止の見地からも薬剤管理の重要性は増大する一方である.また,薬剤の使用量は,日ごとに増加の一途をたどり2),病院の経営にも大きな影響を与えている.
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