特集 病院医事業務のすすめ方
診療報酬請求方式の合理化
池田 静夫
1
1九電病院医事課
pp.37-44
発行日 1968年10月1日
Published Date 1968/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541203470
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はじめに
医事業務の中で請求事務の占める割合は実に大きい。いやむしろ病院業務の中でといったほうが適切かもしれない。社会保険制度というものが,わが国に生まれてこのかた,それほど,この仕事は病院と医事職員を悩ませつづけてきたのである。
このやっかいなしろものは毎月,月末から月始めに,きまってやってきて,医事職員からは膨大な個人の時間と自由を奪い,病院からは多額の時間外手当や,その他の経費を奪い去っていくのである。この宿命的ともいうべき医事職員の背負っている業は,われわれがわれわれ自身で合理化・簡素化の方法を考え,それを追い払わないかぎりは,われわれの短い人生すらも奪い去っていくような重大な問題を含んでいるような気がするのである。最近,各地でこの合理化の機運が高まり,具体的な方法も研究され,その成果も多分に上がっていることは非常によろこばしいことである。私の属する福岡県病院協会においても,その中に医療事務研究会というものをもっており,その研究の中でこの合理化の問題と取り組んできたのであるが,以下,われわれ研究会傘下の各病院の実態を参考としながら合理化というものを追っていきたいと思う。
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