特集 使い捨て物品
使い捨て物品の使用経験
看護関係物品について
春藤 幸江
1
1佼成病院看護部
pp.41-42
発行日 1968年7月1日
Published Date 1968/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541203385
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早い使い捨て物品の普及
若葉はひかり,風薫る5月と人はいう。がしかし,排気ガスや騒音に悩まされる私たちには,ほととぎすはおろか,初鰹さえもなかなか姿を現わさない。変わったのは自然だけではない。私たちの先祖は,たとえぼろ布1枚,紙切れ1枚をも大切にするのが,特に,女子の美徳と教えた。この長い歴史が大きな軋轢音を私たちの心に残し回転しつつある。使い捨て製品の出現がその1つである。
マスプロの波は医療界にも打ち寄せ,川を作り流れだしている。3年ほど前の看護学会で,使い捨て製品を展示していた業者が竹ひごの先に綿を巻き消毒してある綿棒を見せ,もったいないからもう1度だけ使うといわれ歎いていた。また注射針洗浄機を展示していた業者に,使い捨ての時代がくるのに償却期間の長いこんな機械を買う病院があるかと聞いたら,5-6年はまだだいじょうぶだろうといっていた。だが予想より早目にその波は寄せてきた気がする。
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