第17回日本病院学会パネルディスカッション
複廊下病棟
吉田 幸雄
1
,
石丸 健雄
2
,
幡井 ぎん
3
,
浦 良一
4
,
明石 恵美子
5
1病院管理研究所
2病院管理研究所建築設備部
3虎の門病院
4明治大学
5愛知ガンセンター病院
pp.63-69
発行日 1968年5月1日
Published Date 1968/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541203343
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第1回
複廊下だからよいといえるか
司会(吉田)ただいまからDouble corridor複廊下式病棟のテーマについてパネルディスカッションを行ないます。このDouble corridorが初めて病院に活用されたのが1941年で,Neergaardというアメリカ人がこれを設計して発表したものですが,その後しだいにアメリカに普及して,戦後は欧州ならびに日本へも流行しつつあります。日本ではご承知のように虎の門病院が初めてこの方式を採用しているのでございます。
この病棟の構造の特徴は申しあげるまでもなく,従来病棟には片廊下,あるいは中廊下と,1本の廊下であったのが,1つの病棟の中に2本の平行した廊下が存在する形であります。したがってDouble corridorと名付けられたのですが,そのねらいとするところは病室以外のサービスをするいろいろの部屋を病棟の中心部にまとめて,その回りを病室で囲むという方式で,たまたまその形が中に2本の廊下を含むという形から名づけられているのであります。したがって機能からいうならば複廊下というよりも別の名前のコア・システム,芯のある方式といっていいものだと思います。
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