第17回日本病院学会臨時増刊号 特別講演の部
病院における諸専門科の協力作業の必要性と方法論
橋本 寛敏
1
1日本病院協会
pp.79-83
発行日 1967年10月20日
Published Date 1967/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541203208
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医学の専門化は,19世紀の後半から盛んになり,近代医学を著しく発展させましたが,それを応用して専門化された高級の診療を実行することが近代病院の一大特色となりました。
しかし,専門化が進めば進むほど,それぞれの専門科の支配する領域が狭くなり,その狭い範囲を深く掘り下げるのでありますから,不便なこともあります。狭い範囲の診療に適応する病変を呈する患者であれば,その専門科の診療は,専門化以前の診療には見られなかったような優れた成績をあげますが,もしその範囲外のものであれば,その診療は無力であります。それで専門化された高級診療を意義あらしめるために,第一の条件として必要なのは,その専門科にもっとも適応する患者を選び捕えることであります。
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