特集 病院の廃棄物
無価廃棄物の収集とその処理
鬼沢 文男
1
1織本病院整備部
pp.31-34
発行日 1967年8月1日
Published Date 1967/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541203143
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無価廃棄物の処理についてはどこの病院も苦労しているようである。病院業務のうちで最もおくれているのが廃棄物処理であろう。先日奈良県下のある大きな綜合病院を見学してきた。そこでは汚物,ガーゼ類は重油バーナーの焼却炉で処理をしていたが,その他の塵芥については市当局の処理に依托しているということであった。ダストシュートは設置していないので,廃棄物の収集には各病棟の隅にポリペールを置いてそれを運搬して捨てているようであった。他の機械化された諸設備と比べて塵芥処理のおくれが印象的であった。病院の廃棄物を病院外で処理することは,医学的見地からはどう判断されるであろうか。病源菌の汚染伝播のおそれはないのであろうか,と案じられる。
また広い緑地帯をもつ樹木の多い療養所では季節的にでる廃棄物は相当な量になると思うが,その処理はどうしているのであろうか。近頃病院造園ということが言われるようになり,建物内部ばかりでなく外部や,緑地帯の美化が問題になってきているおり,廃棄物の処理対策を真剣に考えなければならない。
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