研究と報告【投稿】
名鉄病院におけるEDPS化の現況
小川 保彦
1
1名鉄病院
pp.59-66
発行日 1967年5月1日
Published Date 1967/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541203087
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はじめに
最近の電子計算機(Electronic Data Process-ing System,以下EDPSという)は,その技術研究の恩恵により,性能の向上はめざましく,使用者側により使いやすくなりつつある。したがって,その活用は大企業にとどまらず,中小企業にまで普及されるようになってきた。しかし,この中小企業の範疇に属すると思われる病院が,EDPSを採用している例はごく一部にすぎない。一般にEDPSの導入を考慮する場合は,「入力費用<出力効果」であることを,たえず念頭にいれて作業にかからなければならない。そこで,病院内のEDPS適用範囲のルーチンな業務をながめてみると,患者会計,入院予約と室のわりふり,薬品および医療器具の購入と管理,ドラッグインフォメーション,労務管理,文書管理,経理,看護婦の作業管理,医学の研究,問診,診療録管理,図書管理などでその幅はまことに広い。しかし,この業務へEDPS導入の段になると,それをはばむいくつかの要素が考えられる。例えば,①作業の種類が多いのにその量は少ない,②低医療費の現状では費用の捻出が困難,③病院人の企業的感覚の欠如と保守性,④機能部門作業のシステムプラニングの困難性などである。
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