特集 処方と調剤
処方と調剤
岩崎 由雄
1
1東京大学医学部付属病院薬剤部
pp.25-29
発行日 1966年12月1日
Published Date 1966/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541202995
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はじめに
日進月歩する医薬品は次から次へと新薬を生み出し,一方,調剤も調剤学から薬剤学・製剤学と学問的にもその業績はいちじるしいものがあるが,この理論的体系化のもとに新しい剤型・改良された剤型が現われてきた。また医学の進歩も基礎・臨床ともに目をみはるものがある。この医薬学の発展の具体的現われの一つに"処方"の内容的変化がある。処方に現われる医薬品の数は繁用薬品だけで1,500〜2,000品目が数えられる。その他の薬品をふくめると病院で使用される薬品品目数は実に5,000余品目に達する(東大病院・昭和41年現在)。このような多数の品目を取扱っている薬剤部(薬局)では,どこの病院でも医療費のうち薬剤料の増加という現象を問題としてかかえ,調剤にも大きな影響を与えている。
このように医療における薬物療法の役割は最近とみにそのウエートを増し,病院経営における医薬品のしめるパーセンテージの増加は重大な問題となっている。その1例を第1表に示そう(「国民健康保険給付実態調査報告」:厚生省保険局)。これは病院・診療所の規模の大小にかかわらず,全国的傾向のように見受けられる。この薬物療法の過半数は調剤薬(投薬)によってしめられている。
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