霞ガ関だより
国立病院の臨床検査部門について
pp.96-98,100
発行日 1966年3月1日
Published Date 1966/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541202815
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運営方式と問題点
国立病院の臨床検査部門は中央管理方式が採用されており,研究検査科として独立した運営が行なわれている。戦後提唱されたこの中央管理方式については異論のないところであるが,検査科専任の臨床病理医(病理・生化学などの専門医師)が配置されている病院は全国88施設の中で基幹病院10か所をはじめ国立がんセンター,国立小児病院など4分の1程度であって,その他の施設においては本来の所属診療科のほかに研究検査科を兼任する形式で医師が配置されているに過ぎない。一般に国立病院は大規模なものが多く半数に近い施設が病床数300床以上であり,400床以上を保有する病院が30施設にも及んでいる事実から考えると,急速な医学の進歩に適応して医療の質を維持して行くためには,衛生検査技師の労働条件を緩和するに止まらず研究検査科専属医師の配置が必要な現状といえよう。最近の資料をもとに国立病院における臨床検査部門の稼働状況について2,3の知見を述べる。
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