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編集主幹ノート
吉田 幸雄
pp.98
発行日 1965年10月1日
Published Date 1965/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541202691
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- 文献概要
本号は「病院医師の組織」を特集した。病院内の職能集団でもっとも主体的な役割を演ずるものはいうまでなく医師団である。したがって,この医師集団の組織活動は病院組織全体におよぼす影響がもっとも大きい。すなわち病院医師組織論は,病院組織論の基本問題であるだろう。
戦後,病院管理研修会がいち早く発足した当初から,病院医師論は研修の大きな課題としてとり上げつづけられてきている。しかし,最初はアメリカの病院医師組織の紹介に過ぎなかった。そしてこれから発足してopen system論,専門医制度論が発展して行った。たしかに医療制度上あたらしい波紋をなげかけた。しかしそれは,病院管理の理想と現実を引きはなしたきらいがあった。現実には勤務医をもって構成されるべき医局が厳立している。しかもその医局の組織を反省するならば,組織論的にははなはだ寒心にたえない現実がある。すなわち,まず現実の中から立てなおすことが,現在の病院管理を改善し,将来の理想への階段を築くことになるであろう。そこで心ある人々によりまず主治医論という病院医師組織の基本から思想統一が手がけられた。
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