特集 空気調和
手術室の空調—麻酔薬の問題に関連して
高橋 長雄
1,2
1札幌医科大学麻酔学
2札幌医科大学麻酔学付属病院中央手術部
pp.19-24
発行日 1964年7月1日
Published Date 1964/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541202380
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1.はじめに
さきに開催された第13回日本病院学会の空調に関するシンポジュームで,手術室の空調の項の分担を命ぜられた。その時,筆者は会長の奥田義正博士ならびに司会の石井主器夫博士に次のように申しあげてご了承をいただいた。「私はできあがった札幌医大病院中央手術部の施設をそのまま引き継いで使用しておるのみで,空調の設計が問題になった当時外遊中で,まったく関知しなかったし,空調はこうあらねばならぬという研究や業績も持ち合わせていない。ただ麻酔薬の爆発の問題に関連して空調に若干の関心をよせているのみである。問題の焦点をしぼって,そこに移してもよければ,シンポジュームの演者をお引き受けしましょう」と。
さて本誌からの原稿依頼にも,第13回病院学会の発表内容を土台に,記載をすすめるようにとあったので,筆者は,上記のいきさつから,手術室の空調というテーマの包含する尨大な対象のうち,主として,麻酔薬の爆発という点に焦点を合わせて述べてみたい。
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