霞ケ関だより
小児病院について
野里 寿一
1
1厚生省医務局国立病院課
pp.94-95
発行日 1964年5月1日
Published Date 1964/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541202353
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1959年,西ドイツに初めてサリドマイド・ベビーが生まれて6年,わが国にもサリドマイド禍が波及し,その人体実験が一部マスコミ等によりショッキングに取り上げられるなど,社会問題を提供したが,その反面これら不幸な小児を収容すべき小児専門病院が,わが国においていかに少ないかを知らしめた。
しかし,厚生省においては,小児医療対策を軽視していたわけではなく,小児の健康が次の世代の健康,ひいては国家の繁栄を約束するものとし,小児専門病院の必要性と問題点を数年来検討してきたが,その結論がまとまり,東京では国立世田谷病院を転換して国立こども病院に,大阪では大阪市立病院に小児センターを併設し,これにあてることに決定した。
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