Hospital Topics 診療管理
院内感染防止の工夫
岩佐 潔
pp.93
発行日 1964年5月1日
Published Date 1964/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541202352
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院内感染においてstaphylococcusaureusが重大な役割を果たすことはすでに一般に知られているが,イギリスのSt.Bartholomew's Hosp-italでは手術後の患者に生じたwo-und seprisについて調査した結果次の事実を確めた。すなわち手術のため入院した全患者について粘膜をスポンジでふきとってstaphylococcusauremsの存在を調査し,その後毎週これを繰返した。その結果手術前後の全入院期間を通じてブドウ状菌を検出できなかった者では感染率は非常に低率であったが,これに反して入院時には陰性であったのが在院中に陽性になったものではwoundseprisの発生が一番高率であった。入院時にすでに陽性であったグループは前二者の中間であった。
そこでブドウ状菌に感染していないものが入院してきて,手術前にこれに感染するとwound seprisを起こす危険が多いことが判かったのであるから,手術のために入院した患者ははじめから個室に収容するのがよいことになる。しかしすべての患者を全入院期間を通じて個室に収容することは不可能であるので,外科の大部屋を術前と術後の部分に分けることにした。
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