霞ガ関だより
三井三池災害医療調査団について
佐分利 輝彦
pp.106-107
発行日 1964年2月1日
Published Date 1964/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541202296
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客年11月9日15時15分三池鉱業所三川坑に起った炭塵爆発は死者450名に及び,炭坑事故史上類例の少ない大事故となった。事故発生時が坑内作業員の替代時に一致したため,数多くの従業員が坑内にいたこと,炭塵爆発と同時に発生した一酸化炭素の異常な流れによって、多くの作業員が急性一酸化炭素中毒に侵されたことが事故の規模を大きくし,事態を一層悪くしたといわれている。
事故の発生直後から始められた傷病者の救出作業は,三井鉱業所天領病院の医師出動により進められ,救出された患者は大牟田市,荒尾市消防署,自衛隊,民間輸送機関の協力により,天領病院を中心として最寄の病院7カ所に分散収容されるなど,救急措置の段階は比較的円滑に進められたのである。
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