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経営的に見た医業
守屋 博
1
1順天堂大学病院管理学
pp.19-26
発行日 1963年12月1日
Published Date 1963/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541202250
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まえがき
わが国の医療制度を複雑難解にしている原因は,医療の提供者の大部分が資本主義下の企業者として行なわれているからである。一方で医療は利潤の対象とすべきでないという理念があるのに,現実には現在の社会制度がそうであるのか,あるいは長い歴史の伝統の惰性であるのか,大部分の病院,診療所は私企業的に運営されている。
企業の本質は,多額の資本を固定した設備を利用し,多額の材料を投入し,多数の従業員を専属雇傭して,生産またはサービスを社会に提供するのであるから,医師が単独で自分の技術を提供する診療所においては,設備の面からも,従業員の面からも,企業的制約を受けることが少ない。これに反して,病院の場合は,投下資本についても,雇傭従業員についても,非常に企業的であり,よきにつけ,悪しきにつけ,その影響を受けることが大である。
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