特集 国民医療費の再検討
国民医療費配分と医業経営の方向
一条 勝夫
1
Katsuo ICHIJO
1
1自治医科大学,病院管理学
pp.23-27
発行日 1985年1月1日
Published Date 1985/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541208486
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
国民医療費の配分,つまり誰がどれだけ医療費を受け取ったかという分配の態様は,医療費の支払方式の結果にほかならない.
資本主義経済では「自由放任」であることが「見えざる手」に導かれて,おのずから妥当な合理的な結着をみるものと,アダム・スミスが唱えてきた.売手も買手もそれぞれの経済的動機=自己の利益に基づいて行動することが,結局は社会全体の利益を増進させる結果となる.いらざる介入・干渉は,かえって合理的な結着を妨げるという考え方である.これは現在でも国際貿易の自由化の主張に生きていることである.
Copyright © 1985, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.