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あとがき
吉田 幸雄
pp.100
発行日 1963年10月1日
Published Date 1963/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541202227
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- 文献概要
今月は「病院の機械化」を課題に特集しました。ご承知のように,生産方式が近時また大きく変革しようとしています。すなわち,エレクトロニクスの発明により,オートメーション時代に入りつつあります。第1次産業革命は,人力を機械力に置きかえた革新でしたが,今世紀は科学的管理法によって人間の力が機械のように組織化され,第2次産業革命といわれました。しかし今や第3次の産業革命である,機械に統制力を附与することが可能になりつつあります。
このような技術革新が生産機構を変えて行く時代に,病院が職人的な旧時代の観念にのみとらわれていることは愚かなことです。これらの技術をとり入れることにより,更に一層better patient careを確保するように努力すべきでしよう。組織を出来るだけ機能化し,さらに機械化できるものはできるだけ機械化し,さらにオートメ化できるものがあればそれもとり入れるべきです。そして,医師,看護婦等の医療チームが,医療に必要な高度の判断力,技術力をフルに活用しうるようにすべきでしょう。これが近代病院の進むべき道であることは疑えません。
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