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臨床生理検査室の管理
江部 充
1
1虎の門病院臨床生理検査室
pp.31-37
発行日 1963年7月1日
Published Date 1963/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541202153
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はじめに
病院における管理方式の伸展に伴い検査室の中央化が積極的に行われるようになって来たが,その一つに臨床生理検査室という名称で呼ばれる部署が見受られることがある。これらの部署の規模及び運営の仕方は他種の検査室に比して,又病院によって極めてまちまちである。その理由として考えられる要素は数多くあるが,一つには検査の多くが患者から直接に検査結果を得なければならず,又検査の実施に当って臨床医学的な知識と手技の必要性が大きいためと考えられる。従って中央化とは逆に各検査項目によってそれぞれ適当な診療各科に所属している場合がきわめて多い。病院の規模或いは目的によって入員の関係上からも各科に所属するという形が妥当な場合もあり,又そのような考え方も成立つであろうが,しかし一方において病院の経済面も含めて病院の運営上から又診療の能率化,検査内容の向上,技術者の充実等から中央化することが都合がかい点も多々あるように思われる。現在の病院の管理には会社或いは生産工場に見られる如き科学的な方式が充分に確立されておらずかなり前近代的な要素を多分に示していると云われており,筆者も又管理学の専門家でもないので特に臨床生理検査室の管理について科学性に立脚した意見は持っていない。そこで虎の門病院の臨床生理検査室の実情を明らかにするとともに二,三の見解を加えて本検査室の管理方法の資に供したい。
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