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洗濯は自家用で
村山 傳
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1三機工業株式会社機材部洗濯係
pp.37-38
発行日 1950年6月1日
Published Date 1950/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541200157
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- 文献概要
作業員がガムでもかみながら鼻唄で仕事をしていてもそれが自然で又楽しく見える場合があります,洗濯作業等も押ボタン或はスイツチ一つ押して置けば洗い上るそれを絞り機械にかけて五分も経てばタライに何ばいもの絞りが出来る,お天気には関係なしに乾燥室で乾いてしまう,その間依然として唄いながらガムをかんでいた等と如何にも愉快な仕事に見えるではありませんか,これは洗濯をする作業員の事ですが,洗濯して貰う方の人は品物(汚れ物)を預けてさえ置けば期日に間違なく立派にアイロンした物が届いていたら外出するにも着る物に心を使わないで済むのではないでしようか,7,8年前のあの汚れた人と着物,戦後も誰を見ても汚れていた日常,乗物の中で又往来でお互が楽しく見合う事が出来たとは云えませんでした。最近少しは皆きれいに段々となつて来ましたがこの現象は布類が出廻つたばかりではなくて洗濯が少しづつ行き届いて来たからです。けれども小ぎれいにしている人は極少数の様に見うけられます,それは洗濯したいにも洗濯代が安くないから一般には着る物をどれもこれも洗濯に出したものという風に行きわたり兼ねる原因があると思われます,それならば如何様すば洗濯賃が安く上るかと申しますと洗濯を自家用で機械化す事に限ります。昔がちもそうですが現今でも人件費が事業では他の何よりも高くつくと思います,それで人手を省いて機械化せば一台の機械が何十人分の仕事を処理してくれるものです。
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