特集 中央検査室
簡易検査総論
丹羽 正治
1
1国立東京第二病院医化学科
pp.21-26
発行日 1963年6月1日
Published Date 1963/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541202137
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最近の医学の発達は加速度的であり,経験を主とした過去の臨床医学は科学的な姿に急速に脱皮している。今日では患者の診療は各種の臨床検査によって得られた客観的資料を基礎として進められている。
このような情勢の下で最近急激に膨脹している各種の臨床検査の内容は,一方では益々微に入り細にわたって発達したため,検査には特殊な技術や高価な精密機械を必要とするようになった。これと同時に他方では,誰でも,何処でも気軽に行なえることをねらった検査も益々発達している。それは簡易検査あるいはインスタント検査などと言われているものであり,名の通り操作が簡単で,試薬類は錠剤,試験紙あるいはアンプル入りなどの形態となっているので,天秤を使って一々作る必要もなく,すぐそのまま使えて,あとで器具を洗う手間もいらないなどの特徴がある。このような簡易,迅速を旨とした性質が日常診療上の要求に良く適合するので,この種の検査は一層急激に普及するようになった。
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